健康・医療

犬の心と体を癒す、注目の水治療法
ハイドロセラピーを知っていますか?

"J"Antonio

"J"アントニオ

日本人初のドッグハイドロセラピスト。動物先進国である欧米で習得した知識や技術に、独自の療法を加えた"J"流のハイドロセラピーで、数多くの犬たちを癒し続けている。
2009年、犬のBQOL(ベスト・クオリティ・オブ・ライフ)の実現を目指し、日本フィジオ&ハイドロセラピー・ホリスティック協会を設立。
近々、直営の施設もオープン予定。
お問い合わせは
jphha@drive.ocn.ne.jpまで

2011年02月17日 [木]

犬の心と向き合うことがハイドロセラピーの第一歩

ハイドロセラピーとは、水の力を利用し、犬の体に負担をかけずに運動させることで、痛みの緩和や機能の回復を助ける、動物理学療法のひとつです。術後のリハビリや関節のトラブル、ストレス解消、体力増進、ダイエットまで幅広く応用され、欧米では高く評価されています。日本にいち早く紹介した第一人者、“J”アントニオ先生に話を伺いました。

取材で訪れた時はちょうどハイドロセラピーの真っ最中。”J”先生は、プールを往復するアメリカン・コッカー・スパニエルの駿輔君に付き添いながら、「頑張れ?!」と励まし、タイミングよく次の指示を出していました。術後のリハビリを行う駿輔君ですが、表情も生き生きとして楽しそう。
「ハイドロセラピーはただプールで泳がせればいい、と誤解している人も多いのですが、まったく違うものです」
 先生が欧米でハイドロセラピーを学び、日本へ紹介したのは8年ほど前。その際、日本に暮らす犬にマッチし、犬と飼い主の気持ちに寄り添うものをと、それまでの経験を生かしながら、独自の療法を取り入れました。
「僕のハイドロセラピーは、一緒に水の中へ入って、犬の目線になって心を通わせることから始まります。特に水慣れしていない犬にとって、ファーストコンタクトはとても大切。水の中で頼る人がこの人だと思わせなくては、セラピーは実践できませんから」
 先生のセラピーは「楽しく!」がモットー。犬が何をしてほしいかを瞬時に察知し、セラピーの内容を組み立てます。
「老犬かパピーか、術後のリハビリなのかダイエットか、年齢や犬種、症状や目的でも施術は違いますし、犬の状態も日々違うので、柔軟に対応します」

その数、100種類以上。きめ細やかなプログラム

プログラムのベースとなるのは、プールでの運動と水中を歩くハイドロランナー、アロマの効能を利用するハイドロアロマティックスパ。

プールは、水慣れから高度なトレーニングまで、ハイドロセラピーに欠かせないもの。負荷のかからない水の中で、筋肉や心肺機能の強化、骨格矯正のための多様な運動を行います。持久力や体力をつけるのに最適な、ハイドロランナーを用いてのプログラムは、水慣れした犬に対して行われます。ハイドロアロマティックスパは、スパの中に犬の好みや症状に合わせて調合したアロマを入れ、ストレッチやマッサージなどを施します。

“J”流は、水の中での施術だけではありません。陸上でのトレーニングや食事まで、トータルにサポート。飼い主ともコミュケーションを密に取ります。
「犬と飼い主とセラピストが連携してこそ、セラピーの効果も高まります」

1万頭以上の犬に施術をしてきた先生。なかには獣医師から「治らない」と宣告された犬を、何頭も回復させたことも。
「この8年間で、先天的な四肢障害を持つ犬、住環境や生活習慣から起こる疾患やトラブルを抱える犬が増えました。犬にとっては受難の時代。だからこそ、”J”流のハイドロセラピーの必要性を強く感じます。ハイドロセラピーは、獣医師の間では定着してきましたが、一般の人へはまだまだ。もっと多くの人に知ってもらいたいし、多くの犬を救いたいと思います」

撮影/田村友孝 取材・文/茶木真理子
取材協力/日本フィジオ&ハイドロセラピー・ホリスティック協会 撮影協力/CLUB ALMA
photo:Tomotaka Tamura text:Mariko Chaki
special thanks: JPHHA,CLUB ALMA